看護師は国家資格を取得したところから看護師といえますが、臨床を経験していなければ看護業務やケア、アセスメントをすることは簡単ではありません。
では、看護師としての経験が十分であれば、アセスメントすることは容易なのでしょうか。

実は、臨床経験のある看護師とそうでない看護師のアセスメントにはメリットとデメリットがあるのです。例えば、これまでの看護師経験が長い場合、患者の主観的情報や客観的情報をとらえ、アセスメントして問題を抽出することは難しいことではありません。ただそのアセスメントを生かしていくことがとても難しいのです。なぜなら、これまでの経験を頼りに看護計画を展開しようとするからなのです。

もしも看護師の臨床経験がなく、新人の看護師の場合は、情報を分析するときにもテキストを開き、看護診断を出してから看護計画を展開していく時も多くの文献を参考にするでしょう。そのため、よりさまざまな視点からアセスメント出来る可能性があるのです。これまでの経験でアセスメントをしていくことは重要なのですが、経験だけでアセスメントする時には、個別性や多方面からの視点と分析という点が不十分になることがあるので注意が必要です。

このように、看護師になってから臨床経験がある場合とない場合では、アセスメントをする能力に差があります。ただ経験がアセスメントの癖を生むこともあるので注意が必要であるともいえるのではないでしょうか。